借金を抱えてしまった原因が、債務整理の手続きに影響するのか気になっていませんか?
結論から言うと、任意整理・個人再生・自己破産のいずれも、借金の原因はある程度影響します。
ただし、すぐに手続きができない、または断られるというわけではありません。
ここでは、それぞれの手続きごとに「借金の原因」が与える影響を、債務者・債権者・法律事務所の立場から分かりやすく解説します。
【任意整理】借金の原因は基本的に影響しない
任意整理は「裁判所を通さず、弁護士が債権者と交渉して借金を整理する手続き」です。
主に将来利息のカットと、月々の返済額の調整を行います。
■ 債務者の観点
- 借金の原因がギャンブルや浪費であっても、原則として任意整理は利用可能
- 返済継続ができること(支払い能力)が最も重要
- 任意整理を機に、浪費やギャンブルを見直すことが求められる
■ 債権者の観点
- 任意整理はあくまで交渉。債権者が応じるかどうかは任意
- ギャンブルなどが原因でも、債務者に収入があり分割返済できるなら応じるケースが多い
■ 弁護士・司法書士の観点
- 原因よりも、返済能力の見極めを重視
- ギャンブルや依存症がある場合は、その改善の意志を確認する
- クレジットカードや借入れを今後一切しないことも確認する
【個人再生】借金の原因によっては影響あり
個人再生は裁判所を通して、借金の元本を大幅に減額し、残りを3年(最長5年)で分割返済する手続きです。
住宅ローン特則を使えば、自宅を残せる制度でもあります。
■ 債務者の観点
- ギャンブルや浪費が主な原因でも手続き可能
- ただし裁判所は「浪費癖が改善されているか」「再生計画を履行できるか」をチェックする
- 定期的な安定収入が必要
■ 債権者の観点
- 裁判所の判断に従うが、再生計画が現実的かどうかがポイント
- 支払い能力が不十分な場合や、ギャンブルが継続中だと否認の可能性あり
■ 弁護士の観点
- 再生が認められるには浪費をやめる意思・証拠が必要
- 家計簿の提出、ギャンブルをやめた証明などが必要な場合もある
【自己破産】借金の原因は重大な影響あり
自己破産は裁判所を通じて、借金の返済義務をすべて免除してもらう手続きです。
しかし、その反面「免責不許可事由」と呼ばれるNG行為があると、免責が認められない可能性があります。
■ 債務者の観点
- ギャンブル・浪費・風俗・投資失敗などは免責不許可事由に該当する可能性がある
- ただし、反省や改善の意思、家計の見直し、生活の再建努力が見られれば「裁量免責」が下りることも多い
- 違法行為や詐欺的借入れがあると免責が難しくなる
■ 債権者の観点
- 債務者が不誠実な借金の仕方をしていた場合、破産に異議を出すケースも
■ 弁護士の観点
- 免責不許可事由があるかを厳しくチェック
- ギャンブルや浪費の履歴がある場合は、事情説明書や反省文などの提出を勧める
- 家計管理や再発防止の意思をサポートしながら、裁判所に納得してもらえる書類を整える
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借金の原因に多い例とアドバイス
実際に多い借金の原因と、それに対する具体的なアドバイスも紹介します。
- ギャンブル依存:早めに専門機関や自助グループ(GAなど)に相談を
- 浪費・買い物依存:家計管理の見直し、キャッシュ生活への転換
- SNS課金・趣味:支出記録と予算設定の習慣を
- 違法行為:今後の人生設計のためにも、誠実な姿勢で対応することが大切
原因に不安があっても、諦める必要はありません。
きちんと状況を整理し、改善への姿勢を示すことで、多くの方が債務整理に成功しています。
まずは弁護士や司法書士に相談して、自分に合った方法を一緒に探していきましょう。