当記事には広告が含まれています
当記事には広告が含まれています

変化を避ける脳の正体|現状維持機能とギャンブル依存症の危険な関係

脳科学、ギャンブル

変化を避ける脳の正体|現状維持機能とギャンブル依存症の危険な関係

「もうやめよう」「これ以上は危険だ」と頭ではわかっていても、またギャンブルに行ってしまう。
なぜ人間の脳は、損をする未来が明確に見えていても、自滅的な選択をしてしまうのでしょうか?
この記事では、脳の現状維持機能(ホメオスタシス)依存症行動の関係を、脳科学の視点から解説します。

現状維持機能(ホメオスタシス)とは?

ホメオスタシスとは「一定の状態を保とうとする脳や身体の働き」のことです。
体温や血圧だけでなく、心理的にも「変化を避け、今の状態を維持する」力が働きます。

依存症の人にとって「ギャンブルをする」「借金で生き延びる」ことが日常になると、脳はそれを“通常状態”として認識し、その行動を繰り返すよう指令を出します。

モメオシタス(成功のための勢い)が効かない理由

行動経済学では「成功体験の再現」で勢いを得る「モメオシタス(モメンタム思考)」が有効とされています。
しかし、依存症の脳では「失敗しても行動をやめられない」というパターンにハマるため、モメオシタスではなく、ホメオスタシスが優先されるのです。

脳は「負けるとわかっていても、ギャンブルに行く状態」を“安定”とみなし、変化=禁断症状や不安を避けようとするのです。

なぜ「破滅が見えていても」依存行動をやめられないのか?

報酬系(ドーパミン系)と扁桃体の連携が、この問題の鍵です。
依存症になると脳は「過去の快感」を記憶し、次の行動を予測するたびにドーパミンを放出します。

たとえ「損をする未来」が見えていても、「過去に勝った」「一瞬だけ気持ちよかった」記憶が脳に報酬を与えるため、論理的判断が追い越されるのです。

【実験例】ラットにおける自己破滅行動の研究

アメリカの心理学者オルドリッチらの実験では、コカインを自己投与できるラットに対し、
「報酬の直後に電気ショックを受ける装置」を設置しました。

結果、ほとんどのラットは痛みがあっても報酬(快感)を優先し、自らの身体を傷つける行動を繰り返したのです。
これは人間の依存行動にも非常に近く、損失よりも「快感の予測」が優先される脳の性質を示しています。

まとめ|抜け出すには「状態」を変えることが必要

脳は、現在の“慣れた状態”を守ろうとします。
だからこそ依存状態のままでは、どんなに未来の失敗が見えていてもやめられないのです。

依存から抜け出すには、まず「環境」「行動」「考え方」を少しずつでも変えていくこと。
「脳に新しい安定状態」を学習させることで、ホメオスタシスの働きを味方につけることができるのです。

依存性で借金問題を抱えている無料相談はこちらから↓

弁護士・司法書士に無料相談する

女性専用の無料相談はこちら
タイトルとURLをコピーしました