法テラスとは?
「お金がないから弁護士に相談できない…」
そんな悩みを抱える人のために設立されたのが法テラス(日本司法支援センター)です。
法テラスは、国が設立した公的機関で、無料の法律相談や、弁護士・司法書士費用の立て替え制度などを提供しています。
債務整理、離婚、相続、労働トラブルなど、幅広い法的問題に対応しています。
債務整理で使える法テラスの制度
債務整理において、法テラスを使うと主に以下の制度を利用できます:
- 無料法律相談(1回30分×3回まで)
- 弁護士費用の立替制度(民事法律扶助)
この制度を使えば、弁護士への着手金や報酬を、法テラスが一時的に立て替えてくれます。
依頼者はその後、原則として月々5,000〜10,000円の分割払いで返済していきます。
法テラスを利用するための条件
誰でも使えるわけではなく、以下の4つの条件を満たす必要があります:
- 収入が一定以下
単身者なら月収約182,000円以下(家賃補正あり)など、生活保護に準じた水準。 - 資産が一定以下
預金、保険、車などの合計が基準以下(単身者で180万円以下など)。 - 勝つ見込みがあること
債務整理のように、解決の見込みがある場合は基本OK。 - 目的が適切であること
私的な復讐や、明らかに無意味な争いなどでなければ問題なし。
法テラスを利用するメリット
- 弁護士費用の心配が減る
手持ちがなくても依頼可能。初期費用ゼロでスタートできる場合もあります。 - 分割払いが可能
費用は原則、無利子の分割で月5,000円~返済可能。 - 相談が無料
収入条件を満たせば、最大3回まで法律相談が無料。 - 全国対応
地方でも対応可能。遠方でも電話・オンライン相談を案内してくれるケースもあります。
法テラスを利用するデメリット・注意点
- 収入・資産審査がある
簡単に使えるわけではなく、審査書類の準備が必要です。 - 使える弁護士が限られる
登録している弁護士の中から選ぶ形になり、希望の先生に依頼できないことも。 - 審査に時間がかかる
即日対応は難しく、数日~1週間ほどの審査期間があります。 - 費用が「無料」になるわけではない
あくまで「立替」なので、あとで返済義務があります(ただし生活保護受給者は免除される場合あり)。
法テラスが使えないケースもある?
以下のようなケースでは、法テラスの利用が難しい場合があります:
- 収入・資産が基準を超えている
- 会社経営者や法人代表である
- 過去に法テラスを利用して返済していない
- すでに他の弁護士に依頼している
また、債務整理を扱っていない弁護士や、法テラスの扶助を扱っていない事務所には依頼できないこともあるため、注意が必要です。
実際の流れと利用方法
- 最寄りの法テラスに電話またはWebで相談予約
- 無料相談を受け、対象かどうかチェック
- 収入・資産の審査(必要書類の提出)
- 審査通過後、弁護士との委任契約
- 法テラスが費用を立て替え、弁護士が債務整理を開始
- 依頼者は月5,000円~の分割で費用返済
まとめ
法テラスは、経済的に困窮している人の強い味方です。
債務整理をしたくても「お金がないから弁護士に相談できない…」という状況を解決する仕組みが整っています。
ただし、審査や利用条件があるため、早めの相談が大切です。
まずは近くの法テラスに連絡して、自分が対象かどうか確認してみましょう。
費用の不安に悩まず、一歩踏み出すことが、再出発への第一歩になります。