「ギャンブルさえやめれば、すべて元通りになる」――そう思っていたけれど、心がついてこなかった。これは、ギャンブル依存から抜け出したいと願う人にとって、よくある現実です。
今回は、ギャンブル依存とうつ病・不安障害との関係について、私自身の体験も交えながら、詳しく解説していきます。
ギャンブル依存とメンタル疾患はセットで起こることが多い
ギャンブル依存症は単なる「浪費癖」や「意志の弱さ」ではなく、脳と心の病気です。
依存が進むと、次のようなメンタル症状が出るケースが多くあります:
- 気分が落ち込み、無気力になる(うつ状態)
- 過去の失敗を何度も思い出し、自責の念に苦しむ
- 将来への不安が大きくなり、動悸や不眠が続く
- 借金の催促や家族の目が怖くなり、外出もできなくなる
つまり、ギャンブル依存が引き金となって、うつ病や不安障害を発症することもあれば、もともと抱えていた不安やストレスをギャンブルでごまかしていたケースもあります。
私が経験した「ギャンブル×うつ状態」
私も、任意整理を決断する少し前から、明らかに精神状態が不安定になっていました。
- 朝起きるのがつらい
- 仕事中に涙が出そうになる
- 「消えてしまいたい」と考える日があった
それでもギャンブルには通っていたし、勝てば少しは楽になれると本気で思っていました。でも、負ければどん底に落ちる。その繰り返しでした。
この頃の私はすでに「うつ症状が出ていた依存者」だったと思います。
メンタル不調があってもギャンブルをやめられない理由
本来、うつ病や不安障害になれば、休養が必要です。でも、ギャンブル依存の人は「逆方向」に走ってしまいがちです。
- 気分を紛らわせるためにギャンブルへ
- 勝って元気になろうとする
- 負けても「もう一度やれば取り返せる」と思い込む
これがギャンブル脳の罠。脳が報酬(ドーパミン)を求めてしまう状態です。
ギャンブル依存とうつ・不安障害から抜け出すには
少しずつ回復していくきっかけになる事が多いのが次の3つです。
- 債務整理を依頼して、借金問題の目処を立てた
- 家族や友人に正直に話し、孤独を減らした
- 精神科に相談し、治療を始めた
メンタルの病気を認めるのは勇気がいりますが、無理に「気の持ちよう」で解決しようとすると、悪化することもあります。
心療内科や精神科、地域の相談窓口(保健所など)に頼ってもいいんです。
まとめ:ギャンブル依存は「心の病気」とのセットで考えよう
ギャンブル依存は、借金問題だけでは終わりません。心の病気としての一面もあり、うつや不安障害が同時に現れることが多いです。
自分だけでなんとかしようとせず、まずは専門家の助けを借りることが、回復への第一歩になります。
次回は第9回「ギャンブル依存と『脳の報酬回路』の話」を予定しています。お楽しみに。