「やめたいのにやめられない」「頑張ってもうまくいかず空回りしてしまう」。ギャンブル依存症に苦しむ人がよく抱える悩みです。
この背景には感情の暴走だけではなく、脳の仕組みそのものが依存状態に変化しているという科学的な理由があります。専門家の視点から、なぜ空回りが起きるのかを解説します。
感情が優先されるとどうなるのか?
ギャンブル依存症の人は「勝ちたい」「取り戻したい」という強い感情が先行します。この感情は理性よりも強力に行動を支配するため、冷静な判断ができなくなります。
- 勝ったときの高揚感を再び得たい
- 負けを取り返さないと落ち着かない
- 「次こそは」という期待に支配される
こうした感情の暴走により、計画や自己管理の意識はかき消され、「やめる」と決意しても行動が伴わない状況=空回りが起こります。
脳のしくみが依存を優先させる
実は、空回りの根本的な原因は「脳の変化」にあります。ギャンブル依存症になると、脳の報酬系(ドーパミンシステム)が過剰に刺激され、通常の快楽では満足できなくなります。
- 前頭前野(理性の司令塔)が弱まり、計画性や抑制力が低下する
- 扁桃体(感情を司る部分)が過敏になり、不安や興奮に支配されやすい
- 側坐核(報酬を感じる部位)が「次こそ勝てる」という期待感を強化する
つまり、理性よりも脳の依存システムが優先される状態にあるため、本人の努力や意志だけでは空回りしやすくなるのです。
空回りから抜け出すためのポイント
「感情」も「脳の仕組み」も、どちらも依存症を悪化させる大きな要因です。では、どうすれば空回りを減らせるのでしょうか?
- 環境を変える:お金にアクセスしにくい仕組みを作る(家族管理・ATMカードを預けるなど)
- 感情を可視化する:「勝ちたい」「取り戻したい」と思ったら、紙に書いて冷静に確認する
- 専門機関や自助グループに参加:脳科学と心理学に基づいたサポートを受ける
- 小さな成功体験を積む:1日ギャンブルをしなかったら自分を褒める
依存症は「意志の弱さ」ではなく「脳の病気」です。そのため、専門的な治療や相談を受けながら取り組むことが、空回りから抜け出す一番の近道です。
まとめ:感情も脳のしくみも依存を強める要因
ギャンブル依存症で空回りしてしまうのは、感情が優先されることと脳の報酬系の変化が重なっているからです。
「やめたいのにやめられない」のは努力不足ではなく、科学的に説明できる現象です。
大切なのは、自分を責めすぎず、脳と感情の両面からアプローチすること。専門家や支援機関を活用して、一歩ずつ依存からの回復を目指しましょう。
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