「借金の返済が厳しいけれど、マイカーは手放したくない」「住宅ローンを組んでいるけれど家族と住む家は残したい」――そんな悩みを抱えて債務整理を検討する方は多いです。この記事では、車や住宅を残す方法について、任意整理・個人再生・自己破産などの選択肢を専門家の視点で解説します。
任意整理で車や住宅を残す方法
任意整理は、特定の借入先を選んで整理できる手続きです。そのため、住宅ローンや自動車ローンを整理の対象から外せば、基本的に車や住宅を残すことが可能です。
- 住宅ローンや自動車ローンはそのまま支払い続ける
- 消費者金融やクレジットカードなどの借金だけ任意整理する
- 将来利息をカットしてもらい、返済負担を減らす
ただし、ローン返済中の車は「所有権留保」が付いていることが多いため、もしそのローンを滞納すると車が引き上げられてしまうリスクがあります。その点は注意が必要です。
個人再生で住宅を残す「住宅ローン特則」
個人再生は裁判所を通じて借金を大幅に減額できる手続きです。最大の特徴は、住宅ローン特則を利用することで住宅を手放さずに借金を整理できる点です。
- 住宅ローンは今まで通り支払いを続ける
- その他の借金は大幅に減額(例:500万円の借金が100万円に減額される場合も)
- 原則3~5年で分割返済
この方法なら、マイホームを守りつつ借金問題を解決できます。ただし、住宅ローンの返済を続けられるだけの安定収入が必要です。
自己破産と車・住宅の扱い
自己破産では、基本的に財産は処分されて債権者に配当されます。そのため、住宅はもちろん、価値のある車も手放すのが原則です。
- 住宅ローンが残っている家 → 抵当権実行により売却
- ローン返済中の車 → 所有権留保により引き上げられる
- ローン完済済みの車 → 一定以上の価値がある場合は処分対象
- 軽自動車や低価値の車 → 処分されずに残せることもある
つまり、自己破産では「住宅を残すのはほぼ不可能」「車はケースによって残せる可能性あり」という点を理解しておく必要があります。
どうしても車や住宅を残したい場合の注意点
- 任意整理:対象から外すことで車・住宅を残せるが、返済を続ける必要がある
- 個人再生:住宅ローン特則を使えばマイホームを残せる可能性大
- 自己破産:住宅は残せない。車は価値やローンの有無によって残せる場合もある
また、住宅ローンや車のローンを返済し続けられる現実的な収支計画を立てることが重要です。「残したい」という希望だけで手続きを進めると、再び支払いが苦しくなり手続きが失敗するリスクもあります。
まとめ:状況に応じて最適な方法を選ぶ
債務整理をしても車や住宅を残せる可能性は十分にあります。ただし、任意整理・個人再生・自己破産で扱いが大きく異なるため、自分の収入・借金総額・生活状況に合わせて方法を選ぶことが重要です。
「車や住宅を残したい」と考えているなら、まずは弁護士や司法書士に相談して、あなたにとって最適な解決方法を一緒に探すことをおすすめします。
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